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2003.5.18谷本光アコースティックライブ報告!

TANIMOTO Hikaru


 長距離バスから広島に降り立った彼は、人目で彼と判るいでたちだった。(そりゃ、ギター2本に、トランクもった青年がいたらそうでしょ!)思った以上に小柄だった彼を会場である、Sound Den「ウッズホール」につれていった。山手の住宅を抜けて目前にあらわれた山際に立つヨーロッパ古民家づくりのSound Denのロケーションをとても気に入って、「ぼくも将来こんなとこに住むのが夢なんですよ!」とおおはしゃぎだった。 2003.5.18。この日、北海道・札幌から「谷本光」が広島にやって来た。そう、ASC名物、ライブレコーディングにギター一本での殴り込みだった!(無理言って、来てもらったんですけどネ!)
若干18歳の彼の演奏は一人多重演奏と自称する、ギター一本で演奏しているとは到底思えないものだった。そしてほんわかした暖かみのある曲や、重みのあるハードな曲まで、すべて自作の曲だという。彼のHPでCDを購入。当然ASCのアドレスも知らせておいた。律義な彼はASCのHPをのぞいて、ARコート処理やライブレコーディングに興味を持ち、メールをくれたのが5.18liveのキッカケなのだ。
 只、ASC会員のスゴ耳たちはそう簡単に彼のCDの音を受け入れるわけはなく、録音させてもらえるならライブ開こうか・・・ぐらいの感じだった。

 「やあー、ようこそいらっしゃい!」
会員のみなさん、Sound Denのスタッフを紹介して、セッティングに入った。ホールの残響や演奏者の位置による響きの変化、試聴位置で変わる特性等、細かく打ちあわせていった。

一つ印象的だったのが、谷本さん自身が会場に入ってまずパン、パンと手を叩いて残響を確認したことだった。

 機材のセッティングと平行して谷本さんの音だし。CDで聴いたなじみの曲を次々に演奏しながらギターをチューニングしていく。彼の演奏は右手で弦を弾くだけでなく、左指でも弦を弾いて音を出し、ボディーを叩いたりと、様々な音を1台のギターで奏でていく。変則チューニングを使用して、まるでベースを一緒に演奏しているような深みのある演奏が特徴である。
 途端に会場にいる会員の顔つきが変わった。今日の録音は、ASC・DENTECオリジナルワンポイントステレオDCマイクシステムとマランツ631DENTEC VS ASC神戸新システム・テクニカ1ポイントステレオマイクとマランツ630、そしてブランクCD-RにノーマルのものとARコート処理を施した物を使用して様々な実験をするといった趣向であった。しかし、谷本さんの演奏を聴いた途端、今日の録音はARコート処理CD-Rでいこう!ノーマルはリハーサル用にしようということになった。


彼の演奏は本物だ。録音だけに集中しよう!となったのだ。

マランツ630と631                     入念にチェックする

-リハーサル風景-
マイクの位置、演奏者の位置関係がお判り戴けるだろうか。
マランツ631の端子の接触不良などトラブルもあったが何とか本番にこぎつつけた!


 今日のマイクセッティングである。センター(天井、大きなハリの下)に谷本さんが座わり、左寄りからギター正面にマイクを向けるセッティングである。マイクの高さは谷本さんの耳の高さである。2本のマイクはご存知、DENTECワンポイントステレオDCマイクとオーディオテクニカ製AT822(DENTEC)である。マイクスタンドの下DENTECステンレスベースその下にV.E.S。白く枕のように見えるのは玉砂利袋である。マイクセットの後、周辺を歩き回り床からの振動を出来るだけカットすべく、このようなセッティングとなった。リハーサル中に何度も録音した音をチェック。当然谷本さんもチェックした。彼もそのクオリティーには驚いていたが、演奏と録音が高い時限で融合するときにはとんでもないことが起きてしまう。今回はこれまで以上に期待できそうだ!

演奏中の谷本さん。
動かない画像ではその凄さが伝わらないのがとても残念!
 

 谷本光の持ち込んだギター達。本当はもう一本(マーティン!)持ってきたかったらしいが、3本も持って長距離バスには乗れません(笑)
 左、北アイルランド製「ロウデンO-10」芯のある暖かみのある音。
 右、ドイツ製「レイクウッドM1」繊細な音。普段のレコーディングにはこちらを使用しているが今回は曲に合わせて使い分けたので、ギターの音色の違いも楽しみである。

 演奏が始まった。おなじみの曲からと「ミッションインポシブルのテーマ」でスタート(我々の世代には「スパイ大作戦」の方が通りがいい。)間を開けずにライトハンドで始まる「渡り鳥」続いて、ファーストアルバムのメインタイトルでもある「サンクス・トゥ・ミュージック」と演奏。録音とか忘れて久しぶりにエキサイトな演奏にしばし酔いしれる。しきりに緊張してますと言う谷本さんだがいい意味での緊張感がライブに引き締まった空気感を生んだ!「サザエさん谷本バージョン」で緊張をほぐすなどニクイ演出を交えながら「シルクロードの風」、「ハーベストの丘*」、「山へ行こう!」、「淡色の想い出」、「影と光」等オリジナル曲を熱演。中でも「山へ行こう!」は参加者一同のお気に入りとなった。谷本さん本人も今日最高の演奏と言うほど、このライブで最高の一曲となった。
 

 最後の曲となった「ターゲット*」。全曲通してはじめてボトルネックを使用したスライド奏法を使用。独特の揺らぎ感がブルージーな雰囲気を醸し出す。曲も終盤にさしかかり、大いに盛り上がったとこで通常の指使いの戻すべくボトルネックを床に落とす!
「ガコォォ----ん!」
 一瞬にして音楽の世界から現実の世界へと引き戻される!まさに「影と光」、「現実と虚影」。しかし、この2つは常にその存在が相反する存在のレーゾンデートルとなる。相反する二つの世界を見事に表現しきった!(カッコイイー!)
 ライブ終了後、片づけをしながら、録音機を奥の試聴室のシステムに繋いでプレイバックした。ホールから聴いていると、又ギターを弾きだしたのか!と思はんばかりのリアルさである。
「すごくリアル。いつも自分が練習で弾いてるときの音だ!」
 谷本さんの驚きの声で今回のライブの成功も約束された。そのとき、
「ガコォォ----ん!」
 例のボトルネックの音である。ホールから何人ものメンバーが、今のはホントの音?再生音?谷本さん又落としたの?とやって来た。真鍮製のボトルネックがまさしくそこに存在するのだ!
音楽ファンの他にもディープなオーディオファンも存在する事を知る谷本さんだった。
 *(谷本さんのご指摘でタイトルの違いが判りました。御わびして、訂正いたします!)

ライブ終了後、散歩してきますと出かけた谷本さんだったが、
「その先のトンネルがいい響きなんですよ、ギター弾いていいですか?」
 と帰ってきた。いいも悪いも無い!第3部の始まりである!ここでも響きの良くなるポイントを探し当てて「サンクス・トゥ・ミュージック」を演奏しはじめた。(夕暮れ間近の青白い光が印象的だったのであえてストロボをたかずに、自然光だけで撮ってみました。お化けみたいって!?)

 このあとの歓迎会もおおいに盛り上がった!音楽の話、オーディオの話、恋の話、オカマの話!(1番盛り上がる!)そして、一同、又来年も会おうと約束をして解散となった。

 はじめて自分の総合プロデュースライブということだったのですが、大いに楽しんでしましました。何より、ASCメンバーがとても喜んでくれたのが1番嬉しかったです。谷本さんも貴重な体験が出来たと喜んでくれました。本当に良かった・・・。この出会いのきっかけを作ってくれた澤田さんに感謝の気持ちを伝えて、レポートを終わりにしたいと思います。



 

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